日本ティーエスの腐食診断
標識柱、 とりわけ路上式の標識柱はひとたび倒壊が発生すると大事故の可能性が高いことは申し上げるまでもありませんが、 残念ながら県内でも過去に何件か発生しています。
弊社では、事前に危険度を察知するため、今回新たに超音波を利用した厚さ測定などの非破壊検査技術を習得しました。
この技術と弊社の強度計算技術によって、腐食による強度劣化度までを診断できる体制を構築しました。
通常、非破壊検査の範囲は、あくまで客観的な減肉測定結果の事実のみを報告するものですが、弊社では 厚さ測定の結果を元に、従来よりご提供させて頂いております強度計算書に反映し、強度的な劣化度までをご報告します。
提出物(報告書)は・・・
超音波厚さ測定結果(JISに基づいたもの)報告書、及び標識柱の強度計算書の2つを報告書として提示致します。 この二つの報告書によって、
①減肉(腐食)の状況
②規定の耐風力に対する劣化度
が把握できます。
使用する機材(一例)
JISに準拠した方法で社内定期点検を実施し 常に正確な測定ができるよう、体制を整えました。右の機材は超音波探傷器および超音波厚さ計の一例です。
具体的には・・・
標識柱で最も応力が高くまた腐食による影響の 大きい部分が主柱の地際部です。 そのため主柱の地際部円周方向4~8ヶ所以上の、腐食による減肉を誤差0.1mm以下の精度で測定します。
測定結果をもとに強度計算の主柱の厚さより減肉分を差し引いて強度計算を行い、路上式:風速50メートル/秒(又は路側式:40メートル/秒)に対する安全率を算定・報告致します。
作業としては測定箇所のサビを除去し、超音波 厚さ計による計測を行い、最後に防錆用の後処理を行います。
腐食時の強度解析
非破壊検査によって腐食の状態が判っても、どの程度の強度劣化になっているかを知る必要があります。
しかし従来の計算プログラムでは任意の断面に対する断面性能を求めることができませんでした。
そこで弊社では任意図形の断面性能を求めるプログラムを新たに開発し、腐食によるいびつな断面でも正確に算定できる様にしました。
またこのシステムにより任意の形状の受風面積やモーメントの中心を求める事が可能となり、強度計算のより広い対応も実現しています。
コストは・・・
一概には申し上げにくいのですが、通常1日の検査で10万円程度(プラス移動距離加算)です。
一日に概ね3~5本程度の標識柱について対応可能です。(測定場所の作業難易度及び腐食状況や必要となる調査の精細度にも左右されます)